ヨガインストラクターとしてスタジオでの指導の他にも野外で行う青空ヨガなど多数イベントを開催している林 由実さん。お話を伺うと、現代を忙しく生きる人々だからこそ必要なウェルネスな時間がそこにありました。

ヨガというと、照明を落としたスタジオの中で行うイメージがあるのですが、屋外で行う「地球ヨガ」は、とても気持ちよさそうですね？

いつもはヨガインストラクターとして、スタジオでレッスンをしていますが、公園で行う青空ヨガ「地球ヨガ」は、3年ほど前から定期的に開催しています。以前バリ島に住んでいた時に、木々の緑を感じながら、鳥の声を聞きながら外ヨガを体験して以来、屋外でのヨガも心地よくて大好きなんです。
私たち人間も地球の一部なのですが、日々の生活に負われてついそのことを忘れ、忙しさに疲れてしまっている方も多いのではないでしょうか。身近な自然の中で、悩みや心配から思いきり自分を解き放ってほしい、自分も大いなる地球の一部であることを思い出してほしいと思っています。ヨガはもちろん、目を閉じて瞑想したり、公園の木々に触れたりしながら、自然と自分の心が一体化する感覚を皆さんで共有したいとの願いを込めて続けています。

先日、久屋大通パークでヨガイベントを開催されたと伺いました。

はい、そうなんです。1〜2年くらい前から、テレビ塔を見上げながら芝生の上でヨガができたらいいなぁと思っていたところ、なんとイベント開催のオファーをいただきまして、とても驚きました。当日は雨が降っていたし朝も早かったので、もしかしたら参加者が少ないかもしれないと思ったのですが、逆に早朝でよかったという方が多く参加してくれました。テレビ塔の下という場所も気持ちよさそうと期待の声もあったので、今回開催できて本当によかったです。次はお天気の日に、青空の下でまた開催したいです。

「ヨガ」とはどういう存在でしょうか？

ヨガは10年以上続けています。人生で辛いことがあった時期も、ただただヨガをしている時間はそれを忘れられたんです。ヨガで全身を伸び伸びさせると身体も心も解放されて、悩みもすうっと消えていって元気になれました。ヨガの時間は“自分を見つめる時間”で、自分の心を整えるのが目的です。例えば、身体が硬くて綺麗なヨガポーズが作れない、怪我や病気などで身体が動かせずに思うようにポーズが取れないという方もいらっしゃるかと思います。でも大切なのは、ポーズを格好よく決めることではなく、“自分が心地よい”ことが大事なんです。形ができていることよりも、頑張りすぎず、自分の心が気持ちいいと感じられるヨガが良いと思います。“心地よさ”、これです。

ヨガで叶える“ウェルネス”とは、どういうものだと思われますか？

私がパッと思いつくのは健康、そして自分らしさ、でしょうか。形に捉われず、自由に自分の心と身体に向き合っていくことができます。どれが正解・不正解ではなく、ただただ自分のために、感じた通りにやっていいのが、ヨガなんです。ちなみに、私は、ヨガマットのことを“魔法のじゅうたん”だと思っていまして（笑）。ヨガマットを1枚引くだけで、周りの空間を遮断できる、自分だけの空間が作れます。それがいいところだなと。ヨガを通して自分の中に意識を向けていくことで、良いところも、行き詰まっているところも、今の自分の状態を全部受けとめて、気づくことができます。ここに言葉は必要なく、ただただ自分のために在っていい。自分以外の人や事に心配りをする慌ただしい日常からしばし離れて、ヨガをしている時間は自分に意識を集中してみる。そういうことではないでしょうか。